「それでも今日は好い日だ」

猫と裁縫と日常の雑記。

あの病院は遠い……っ!


さて、先週、近所のK総合病院(中規模)の医者に匙を投げられた(?)私の左目ですが、厳重に封をされた紹介状を持って、本日は市内にある大きなS病院へ行って参りました。
結局、件の紹介状は開封しませんでした。
まぁ素人が見てわかるものでもないしネ。


そしてさすがに大型病院は違います。
ハンパじゃありません。待たされる時間が。
そのへんは覚悟していったのでアレですが。
なにかひとつする度に「お呼びしますので外の待合室でお待ちくださーい」と言われます。
新患受付。
「お待ちくださーい」
カルテ作成。
「お待ちくださーい」
外来受け付け。
「外でお待ちくださーい」
まずは屈折率測定、ついで眼圧測定。
「外でお待ちくださーい」
視力検査。
「外でお待ちくださーい」
散瞳剤点眼。
「外でお待ちくださーい。このあとまた屈折率と眼圧の測定しますね。その時、診療までどれくらい時間かかるかだいたいのところ教えますから、もし時間かかるようであればお昼とか……」
なるほど。そう言われてみれば確かに時刻は昼。オウケィ。
そして瞳を開いた状態での、再度の屈折率測定と眼圧測定。
「外でお待ちくださーい」
あ。さっき言ってた……
「あとどれくらいなんですかね。だいたいの時間教えてくれるってさっき……」
「あ。ぇーと……うーん…………外でお待ちくださーい」
……。


大概のことは最近いらっとしないんですけどね。
確かにほとんどの「お待ちくださーい」は大病院ゆえのしょうがない部分だと思うのですよ。なにせ患者の数がハンパじゃない。
でも最後のソレは、看護師としてどうなの。なんでもかんでも、とりあえず外に出しとけみたいな。オマエはもう少し臨機応変という言葉を覚えたほうがいい。


閑話休題
K病院の眼科医は3ヶ月かかってわかりませんでした。2人に瞳を覗かれたんですが、2人とも「うーん、病変は見あたらないねぇ」と言ってました。
で、紹介する時にK病院の医師はこう言いました。
「S病院の眼科は有能な人が多いから。とくにあそこは網膜を専門にしてる人が多いし。いや、僕もね一応網膜は専門でやってるんだけど、あ、それとうちの院長(眼科医)も網膜なんだけど、S病院のほうが……うん、H大やS大よりもS病院のほうがね。あそこならうちにない機械もあるから、うちで出来ない検査も出来るし」
彼が言うには、網膜の表面じゃなくて断層写真で見た時にようやく見つけられるかってくらいの小さな異常だから、網膜の血管と表面を撮影するだけの先日の検査や瞳を覗くだけじゃ見つからないものも、そこで見つけてもらえるだろう、とのことでした。
網膜専門の人が多いので、特に誰と指名しなくてもどうにかしてくれるはず、と。


で、いざ診療時間となったのですが……。
私が持ってきた紹介状(検査結果も同封)を読んで、私の瞳を覗いた後、S病院のセンセイは「ふぅむ」と言って、また手元の紹介状を読みました。
どうやらK病院の先生がパソコンで作った書類に、これまでの経過や彼の仮診断などが書かれているようです。
「視界の中央に黒い点、とあるけど……点が見えるの? それともその『点』が見えないの?」
……アノヤロウ、そんな書き方しやがったのか。アイツ、ほんとに眼科医か。
むしろ「そこ」が見えないんだと何度も言ったはずなのに。
「黒い点は見えません。むしろそこだけ見えないといったほうが近いです。黒ではなく、暗点とでもいうような、そこだけ暗くて何もない感じです」
「なるほど。それに、中央……じゃないよね? 中央から少し外れてない?」
そうっっっっ!!!
そうそうそうそうっ!! それっっ!!
「今覗いてみた限り、右目には何もないけれど、左目には中央から少しズレたところになにかあるね。覗いただけじゃそれが何なのかは言えないけど」
それがアイツラには見つけられなかったんですよ!(アイツラ呼ばわり)


さすが、専門医揃いといわれるS病院。K病院の眼科医が3ヶ月かかって診断をつけられなかった……病変すら見つけられなかったものを、私の瞳を覗いてものの数秒で私が感じる異常の場所まで言い当てました。
まだ特定は出来ないけれど、おそらく、層になっている網膜細胞の内側が一部変性しているのだろうとのこと。
一時的なものなのか、恒久的なものなのか、それとも進行性のものなのかはまだわからないけれど、幾つか検査をしてみよう、と。
ただもしも進行性のものだとしても、この手のものが日常生活に支障が出るほど進行するには普通何十年もかかるし、少なくとも矯正視力で1.2が出るんだから、そんな目にメスはいれないよ、と笑ってくれました。


S病院は立地が少し不便で、バスを乗り継いでいくのが面倒ですが、あのセンセイはどうやら本物の専門医のような気がする。
患者が立ち入らないスペースで機材の上にカルテ置き去りにしてたりして、そのカルテを見た看護師が「この●●さん、あと採血で終わり? やっとくよー?」「あ、はーい。そうそう、そうです。採血で終わりでーす」とかいう会話が飛び交っていて、看護師たちはどうなのよ?とか思いましたが。
……ていうか、みんなさんざん待たされてるんだから、「それやって終わり」なら早くやって帰してあげればいいのに。
あんなやりかたで事故とか起きないのかすら。


……というわけで。
さすがに混んでる大病院、緊急でもない検査は、「ぇーと予約は……一番早くて来月の14日以降ですね」と、検査だけで1ヶ月待ちですが。まぁいいや。
再び視野検査(今度はもっと中心部に絞ったもの)と、再び造影剤をいれての眼底撮影と、コレは初めての網膜断層写真撮影を行うことになりますた。
…………また、蛍光イエローの尿が出るのか。
尿っ!