「それでも今日は好い日だ」

猫と裁縫と日常の雑記。

無事終了。


次のミーティングまでしばしのお休み。
1サイクルにつき最低2回は、
「ばーかばーか!」
と叫びたくなる瞬間があるのは、仕事としての仕様ですね。
なんというかこう、やり場のない(一応あるんだけれどぶつけるわけにはいかない)怒りが身のうちを駆けめぐる瞬間というものが。


いいんだ。


それに、今の上司(というか本来私は社員ではなく、フリーとして雇われているので、雇用側の担当責任者という立場かしら?)は、今までの上司に比べれば格段にまともです。
とりあえずいつもにこやか。
時々、メガネの奥の目が笑っていないような気はするけれど、そうであっても、表面上は笑顔で接しようと努力しているのが見てとれるから、その努力は評価に値すると思うのデスよ。
それに彼は、少なからず努力している。
たとえば休日も平日も、なるべく自分が最初に出勤して最後に退勤するようにしているのが、入り口脇の「鍵開け・鍵閉め記録表」からも読み取れます。
先日、新しいソフトが入った際も、まずは自分が把握しようと、いっぱいいっぱいになりながらもソフトの仕様の把握について努力していたり。
一旦試用した後も、私と社内ですれ違った際に「どうですか。いや、こんなところで捕まえて聞くのも何ですが、使えない点と改善された点を教えてください」と聞いてきたり。
おそらくは、雇用時に私の面接・試験をしてくれたのも彼なので、私の経歴をある程度知った上で私に聞いてきたのでしょう。それまでは社内で使うパソコンはMacが主流だったので、Winに慣れていた人間というのが貴重だったのだと思われます。


少なくとも彼は、自分が監督している作業に従事する人々から意見は聞きます。それはもちろん、会社としてのシステム上、簡単に取り入れられることはあまり無いのですが、意見を聞く姿勢は素晴らしいと思います。
他人に八つ当たりをしない姿勢も、時折、お菓子を差し入れてくれる心配りも。
だからまぁ、実は幾つか欠点はあるのですが、それでも私は、これまでに出会った上司に比べれば、一番まともな人間だとそう思っていたのです。


が。


体調不良により自宅療養


……いい人というのは長持ちしないのかしら。
次のミーティングまでには戻ってくると言い置いて、彼はいってしまいました。


そういえば、以前「3週間ほど休みます」と言って自宅療養に入った派遣先の上司が、1ヶ月経っても戻ってこなくて、1ヶ月めくらいに、この世の終わりが訪れてるのかと思われるほど暗い声音で電話をかけてきたことがあったなぁ。
その電話自体は、彼の更に上の人間に取り次いで、詳細は聞けなかったけれど、結果的にもうしばらく療養が伸びそうだ、なんてことが。
結局、派遣期間が終わるまで彼は戻ってこなかったという過去が……。


今、自宅療養している上司はしっかり養生して戻ってきて欲しいものです。
「台湾版、どうですか、松川さん」
「うーん、思ったより大変じゃなかったですよー」
「それはなによりです。……お。それ、新しいメガネですね」
「ええ。このメガネ代くらいは、台湾版で稼げたかもしれませんね(笑)」
「似合いますよ、それ。僕のなんかつまんないメガネだからなぁ、いいなぁ(笑)」
和やかに交わした彼との会話を思い出します。
場所は何故かトイレの前でしたが。