「それでも今日は好い日だ」

猫と裁縫と日常の雑記。

おわったヨ。


無事、9月号が出るようです(多分)。


ライターが作成、先方に確認、そして先方のOKをもらって、ライターがまたチェックをし、校正さんにチェックしてもらい、進行さんにチェックしてもらって仕事は終わります。
ライターはそれを見届けないと帰れません。
まぁそれでも、先方からOKさえもらえば、その後の仕事というのは社内で流れますから、その進捗状況を読むこともできます。
「さっき○○の原稿出したから、おそらく○時には帰れる」などと目算をたてたりもします。


が。


先方からOKが出れば、の話です。
時々、厄介なクライアントさんがいて、今日が最終〆切だっつーのに、最後の最後まで修正をいれてきます。時には既に校了して、システム的にロックがかかっているものにまで修正をいれてきます。
修正指示だけ出して、帰っちゃったりもします。
もちろんそんな時は、残っている人からケータイ番号を聞き出して、どこまでも追いかけるのです。
なにせ「OKです」の一言を頂かないと、ライターはいつまでたっても原稿が出せない(=帰れない)わけですから。
ライターは校正さんを待たせ、進行さんを待たせています。
が、そのライターは、先方からのOKをひたすら待っているのです。
時には深夜にずれこむことも。


そして本日の深夜。
仕事を終わらせた順に、ライターは帰宅していきます。
十数人いたライターが、まるで櫛の歯が欠けていくように(不吉な喩え)ちらほらと帰宅していくのです。
当然、残っているライター間には、微妙な連帯感と競争心が綯い交ぜになった不思議な空気が漂い始めます。


今日、残りのライターが3人になったのは、深夜0時近くなってから。
私と、H氏、T氏です(私以外、2人とも男性)。
なかでもH氏は覚悟を決めて、途中で少し抜けて、車を「お泊まりOK」の駐車場に移動させて仕事に臨んでいます。


先方からの連絡待ちの間、ライターはすることがないので、ネットサーフィンをしたり本を読んだり。
そんな最中、H氏が話しかけてきました。
H「松川さん、あと何本ですか」
私「……Hさんは何本ですか?」
H「…………OK待ちならあと1本」
私「私もあと1本」


(双方、きらりーん★)


H「…………Tさんはどうなのよ?(矛先が変わる)」
T「俺? 俺は……もう諦めたよ」
私「え。明日来るんですか?」
T「来るよー。明日来る気になれば楽だよー(最終チェックのみを明日に持ち越すという意味。ただ、覚悟して来てみたはいいけれど「そのまま進めてOK」という承認をするためだけに出社する羽目になるのでキケンな技)」


(私とH氏の同意を得られず、T氏はただ「明日来ればいいんだよ、明日来れば……」と呟き続ける)


私「Tさんはともかく……Hさんは私の救いですよ」
H「なんでですかっ!?」
私「……確実に私よりややこしそうなクライアントさんじゃないですか。どんなに遅くなっても、自分が最後じゃないって思えるのは救いですよね」
H「そんなこといって……松川さんのクライアントさんだって、連絡つかないんでしょ? メール、見てもらえたんですか?」


(双方、牽制。T氏「……俺、請求伝票書こうかなー……暇だしなー……」)
(そこで私のパソコンにメール着信)


私「やった! OK! キター!」
H「え!? キタんすか!?」
私「ひゃほーい。帰れるーぅ(嬉々として作業)」
H「……裏切りましたね?」
私「Hさんは私の救いだけど、私はHさんの救いじゃないんです
H「……くっ! ……いいんだ、俺の救いはとりあえず今日中(でも日付は変わってる)に終わらせることだから……」
T「明日来れば楽ダヨー?」


みなさん。もしもどこかの雑誌のライターに原稿を頼むことがあれば、OKは早めに出してあげてください。
内部ではこういう、カワイソウな事態になっていますから。