「それでも今日は好い日だ」

猫と裁縫と日常の雑記。

10月なので。

10月は人間の定期検診と猫のワクチンの月。私の誕生月が11月なのでその前後の恒例としています。
いろいろ、こまごまとした用事を片付けていたら、クロさんがタイミングよくウンチョスをしたのでそれを持ってワクチンを打ちに行くことに。

予防注射が云々というよりも、私にとってはクロさんの体重測定の日でもあります。
この生暖かい重石がいったい何キロなのか。
去年、5.3kgと言われて驚いたのは今も記憶に新しい。
その後、フードをチェンジ。略してフーチェン。
といっても、それまで国産のお安いものAとB、2種類混ぜていたのをやめて、国産Aとサイエンスダイエット(インドアキャット用)のブレンドにしただけデスが。そして、クロさんはサイエンスをお気に入りのようで(単にサイエンスのほうが国産よりも粒が大きくて食べやすいからかもしれないけれど)皿にはいつも国産のほうがちょっぴり残っているので、今の在庫が無くなったら100%サイエンスにしてもいいかもしれない。
ただ、どちらにしろ低カロリーのものです。


ウンチョスをひとつ拾ってジップロックに入れ、クローゼットからキャリーバッグを取り出す私。
それを見て警戒し始めるクロさん。
「好奇心、猫を殺す……」とつぶやきながら、これ見よがしにキャリーバッグを開けて床に置く私。
「だまされんぞ」と警戒してソファの陰に逃げるクロさん。
……そうか、だまされないか。少し大人になったのかな。
じゃあ、しょうがないな。
(すちゃ)カーペット掃除用のコロコロを取り出して、糸くずのついた一番上の紙をぺりぺりと剥がす私。
「にゃー!」
コロコロタイムと思って、喜んですり寄ってくるクロさん。
……ふ。
おざなりなコロコロの後、クロさんを捕獲して、キャリーバッグに突っ込み、出かける支度。
「んにー!?」
そうさ。オマエはだまされたんだよ。


動物病院までは歩くと10分強。でもチャリで行くと2〜3分。なのでチャリで行きたい。
にぇーにぇーと不満げな声を出しながらもぞもぞと動くキャリーバッグを手に持つと、予想通り、しっかりとした重み。
そしてチャリに乗るためには(バッグが前カゴに入らないので)、ショルダーベルトを斜めがけに(キャリーは手持ちとショルダーの2way)。
ぐ。重っ!
肩に食い込むベルトは、予想通りというよりも、予想以上にしっかりとした重み。シット。


動物病院で名前を呼ばれる頃には、すっかりと拗ねたクロさん。いざ診察台に載せようとするとバッグの中で踏ん張って出てきません。センセイにも手伝ってもらって引きずり出すと尻尾がアライグマのようになっていました。
「しゃぎゃーっ!!」
……本当にアライグマか。いや。ツキノワグマか。
撫でくりまわして、尻尾をしゅっとひと撫ですると猫に戻りました。


「便は異常ありませんでした。体重は……と(数値をのぞき込むセンセイ)。ん、5.8kg」
「……ぇ? ご……てん?」
「5.8kgですね」
大事なことなので2度言ってくれるセンセイ。
「……5.8㎏…………ですか」
「ええ。5.8kg」
「じゅ、順調に……増えて……いるような……」
「そうですねー。去年が5.3で今年が5.8。ちょうど500g増えてますね」
……せ、せんせい。そんなに何度も何度も言わなくても……。orz


がっくりしている私を見かねてか、それとも下腹を揺らしているクロさんを見かねてか、センセイが尋ねます。
「フードは低カロリーのものですか? 運動は?」
「低カロリーです。毛玉排出用に繊維質が多めのものを……。運動は好きなようで、ひとりで走り回ってることもあります」
「食べる量は?」
「……少し、多めになってきたかもしれません」
確かに最近、クロさんはおなかが空くようで、皿を空っぽにしてにゃーにゃー催促されるとフードを足してしまうことがあったから……原因はそれか。食べ過ぎか。食べ過ぎなのか。
センセイの触診。下腹もぞもぞ。胸元までごねごね。
「……ん。そうですね。……ちょっと……うん、フードを減らしてもいいのかもしれません」
太ってますね、とは言わない優しさが今は胸にイタイ。


失意のままに帰宅。
……クロさん。
飼い主は決意したよ。
おまえ、明日からご飯減らすから。

うん。マジで。


だっておまえ、とぐろもでかくなったよ?

顔だけ見てれば標準なのに。


いやほんと。
マジで。