「それでも今日は好い日だ」

猫と裁縫と日常の雑記。

弱き己を叱咤する心。

TV台を兼ねたリビングボードの高さは150cm。
そのてっぺんには猫ベッド(サブ)が備えられています。
ソファからリビングボードにジャンプし、途中の棚からよじ登ってそこで寝るのがクロ江さんは好きでした。
とくに冬は、暖かい空気が上に行くので、お気に入りの場所でした。

ところが、去年の秋の終わりのできごとです。
いつものように、ソファの肘掛けで、お尻をぷりぷりさせて、リビングボードを狙うクロ江さん。
「お。いつもの場所でお昼寝するつもりですね。でももう夜だよ」なんて思いながら、私はトイレへ。
その直後、リビングからどんがらがっしゃーんの音。
何事かと思い、リビングに戻ると、棚の上に置いてあった幾つかのものが床に散らばり、猫も床の上で不機嫌そうに「ぶにゃー!!」と。
そう。落ちたんです。
ジャンプに失敗して、棚から滑り落ちたんです。

ソファからリビングボードまでは実は結構な高さがあり、しかもそこを斜めにジャンプしなくてはならない。
ソファとリビングボードを直角に置いているので、斜め前方45度、距離・高さともにそこそこ。いつも、棚の上で着地した時に勢い余って少し前方に滑りながら急ブレーキをかけるくらい、全力で飛んでます。
そこを落ちたんです。
高さか距離が足りなかったのか、着地に失敗したのかは見ていませんが、とにかく落ちたんです。

そして、それきりクロ江さんは棚の上にのぼることを諦めました。
「たった一度の失敗がなんだ! がんばれよ!」
と、松岡修造のように励ましてもみたのですが、クロ江さんの心はいたく傷ついてしまったようで。

が、今。
たった今。クロ江さんはやりました。
何の前触れもなくジャンプをし、首尾良く棚の上の猫ベッドにおさまったのです。
何が彼女をやる気にさせたのか。
時間が全てを解決したのか。心の傷が癒えるまでに半年を要したのか。

とりあえず飼い主としては、このオドロキの瞬間をブログに記録するとともに、クロ江さんの数少ない運動の機会が奪われずに済んだことを喜ばしく思うのです(最近は、CDラックを撤去して壁設置タイプの猫タワーを買おうかと思っていた。まぁそれはそのうち買うけれど)。