「それでも今日は好い日だ」

猫と裁縫と日常の雑記。

ところで。

ところで、嫁の話なんですが。
いえ、去年の秋に、母親が私の部屋に泊まりに来た時に少し話したんですが、
「いると思うから腹が立つ。いないものだと思えばあきらめもつく」
と、遠い目をしていたのデス。
曰く、「あれをしない」「これもできない」と腹を立てるのは、「嫁がいるのに」と思うからだと。いないものだと思えば……というのですが、ちょっとセツナイ話。
でもまぁ、「……ソウネ」と答えざるを得ない我が家の嫁(兄の)。


はしたないので隠しておく(笑)。




今年の正月もいろいろやってました。
まず、我が家のお正月は、おせちというものを作りません。北海道で多いタイプですが、大晦日にこれでもかというほどのごちそうを並べるのです。それを数時間かけてゆっくりと味わい、最後は年越しそばでシメ。明くる日の元旦はお雑煮。元日の夜は大晦日の残り+普通の家庭料理。我が家は一応、本家なので、2日には親戚が集まります。それが昼から夜にかけて。再び宴会(今度は大皿料理メイン)が始まるのです。
もろもろが落ち着くのが3日。なので私はいつも30日に帰省し、3日にマンションに戻ります。大晦日の料理は母だけでは作りきれないし、2日も、親戚たちが皆帰るまで、料理や片付けやらがあるからです。


それを踏まえて。
31日。兄一家が実家に来たのは夕方5時。もちろん、料理の準備は全て終わっていました。嫁がやったのは、私が作った煮物を盛りつけるだけ。
後片付けでお皿をちょっと拭いた後、「今日は帰る」と言い出す。
その一言には兄も仰天。大晦日の夜に、旦那と子供たちを旦那の実家において、自分は1人で自宅(車で15分ほど)に帰って寝るとのこと。
お泊まりセット諸々を忘れてきたから、というのがその理由。何かひとつ忘れたんじゃなくて、全部忘れたから、と嫁の言。


翌日、1日。昼過ぎに現れる嫁。夕食は母と私で作成。後片付けをちょっとした後、嫁と子供たちは自宅へ。これはいつものこと。
ただ、2日から嫁は仕事(パート)があり、必要な車の台数と運転者の人数が折り合わず(兄がたらふくビールを飲んでいたため)、兄だけ実家に泊まることに。
甥っ子たちが「また明日くるねー」と去り際、次男坊が「でも俺、ばーちゃんち泊まりてぇな。ここんち、朝ご飯たくさんあるんだもん」と漏らす。
子供嫌いな母もさすがに祖母として聞き捨てならなかったらしく、「おまえの家は朝ご飯がないの?」と聞いてみる。次男坊曰く、「ご飯と冷凍のおかずだけ。ばーちゃんちは魚とか卵焼きとか味噌汁とかたくさんある」
いや、普通の朝食です。
「お泊まりセットとか宿題とか色々あるでしょ」と、嫁が甥っ子たちを車に乗せ、結局残ったのは兄だけ。


実はお盆の時にも1晩、兄だけが残ったことがあるのです。つまり、私と母と兄と、3人きりになったことが。
昔の思い出話で、30年以上も前のことを、お互いの記憶をつきあわせながら検証していったりとか、酒を片手にノスタルジィに浸った我々でしたが、その日もまた同じようなことになりました。
1人残ると、なんだか兄が開放的になるように見受けられるのはキノセイでしょうか。キノセイだね、きっと。きっとね。
でも、私の作った唐揚げとサラダ(ドレッシングのみ私。野菜を刻んだのは母)をばくばくもりもりと食べていた兄と甥っ子たちの食生活が気になる今日この頃。甥の証言通り、基本は冷凍ものなんだろうか。


そして2日。母の車を借りて兄が子供たちを迎えに。昼過ぎから親戚たちが到着。料理をどんどん出していく母と私。最初に到着した叔母も細々と手伝ってくれる。嫁の姿はない。まぁ仕事だから仕方がないといえば仕方がないけれど。
結局、嫁が来たのは夜になってから。残っていた料理をぱくぱく食べて、終了。
後片付けは母、私、従姉妹、叔母。


2日の夜、みんな帰って母と私だけ。
日課の「5年日記」をつけながら、母が呟きます。
「いないと思えば……とか言ったけどさ。でも、そこにいるのに、ってつい思っちゃうよね」
「……ソウネ」
母が言うには、いわゆる「嫁姑問題」で争いのもとになるのは、嫁と姑のやり方が違うとか、性格が合わないっていうのが大半なんだろうけれど、うちの場合はちょっと違う気がする、とのこと。
そうだね。「やり方が違う」んじゃなくて、そもそもやってないからね。「味付けが違う」レベルまで辿り着いていないからね。っつーか、味付けの違いなんて、実は母には多分わからないしね(味音痴ではないが、レパートリーが少ないため、「これはこういうものなんだ」と納得できる人間)。
私のスタンスからいえば、私は「コトメ」にあたるんだろうけれど、なんかこう……同い年の人にあれこれ言いたくもないし。


そういえば先日、テレビで、「おおかたの人間は、3タイプに分けられる」と言ってました。
曰く、「できる人」「残念な人」「できない人」だと。
できる人は、仕事もできる、能力がある、要領がいい。
残念な人は、仕事はできる(または、やる気はある)、ただ要領が悪い。
できない人は、仕事ができず、やる気もなく、要領も悪い。
要領の良し悪しは、個々の仕事への優先順位の問題だとも分析していました。
それでいくと、兄嫁は…………いや、言うまい。
ただ、件の日記をつけながら母が、「あの嫁ってさ……普通に学校の勉強はできてたんだよね?」と、2人しかいないのに内緒話でもするかのように呟いていたことが印象的でした。
まぁ結婚して18年にもなろうかというのに、未だに食器棚に皿を戻す場所を覚えられない人は、そう疑われても仕方がないけれど。
(注:ちゃんと高校より上の学校に行って、そこから普通の会社に就職し、結婚するまでの間、3年ほど働いてます)


どんまい、ママン。