「それでも今日は好い日だ」

猫と裁縫と日常の雑記。

熱く注がれる視線。

それは金曜の夕方に起こったのでした。
私が寝ころんで本を読んでいると、クロさんがパソコンデスクの上に飛び乗って、ごそごそといたずらをしていたのです。
よくあることなので放置していました。
かさかさ、しゃりしゃりと、クロさんの手元で音がします。
ざーりざーりと舐めてもいるようです。


うーん、あれは……そうか、ビニールだ。煙草の箱を包装しているフィルムの、くるりんっと開けた先の小さい方。プラスチックゴミ分別のつもりで、隅っこに置いといたやつを引っ張り出して舐めているんだな。
放置しておいても、涎まみれにして、骨までしゃぶりつくしたら放り出すはず。極道のような猫だから。


ざーりざーり、しゃかしゃか、かさかさ、くちゃくちゃくちゃくちゃ……ごくん。


…………ぇ?
最後のナニ?


慌ててクロさん捕獲。クロさんの舌がえれえれっとなるほど口を開けさせ、喉の奥を見ますが……何もありません。そして机の上を見ますが……何もありません。
ぇー(がぼーん)。
……食べちゃった。
いやーん、どうしようー。消化しないものを食べた場合は、そのまま排泄されることもあれば、消化器に引っかかって開腹手術になることもあると聞いたことがあるー。


果たして、猫が食べたものを消化して排泄されるまでにどれだけ時間がかかるのか。
1日かな……。でも、身体がちっちゃいから半日くらいで排泄される? いや、でももともと消化しないから引っかかりつつ2日くらいかかる?
どきどきどきどきしながら、それから週末の間ずっとクロさんの様子を見守っていたのですが、吐くでもなく、排泄の調子が悪くなるでもなく、いつもと同じように元気でした。
そしてトイレ掃除をするたびに、熱い視線をクロさんのウンチョスに注いでいたのですが、昨夜、ついにキラキラとしたものがウンチョスに混じっているのを発見しました。


やったー!
輝くウンチョス出たー!!


輝くものをじーっと見つめると、それはやはり、煙草の包装フィルムの形をしていました。ねじれながらもそのまま出てきたようです。
ほぅー。ひと安心ー。


クロさん。どうせたいして美味くもないんだろうから、ああいうものは食わないでクダサイ。
もうー。飼い主DOKIDOKIしたよ。