「それでも今日は好い日だ」

猫と裁縫と日常の雑記。

「だから何だって言うんだ」

正月帰省。
実家のリビングがプチ模様替えされてました。
古い家具が幾つか捨てられ、腰高サイズのサイドボードも撤去。
そして、TVとTVボードを買い換え。
インテリア性を重視して、TVボードは大きめにしたようです。
で、液晶TVの左側に余白が。

そこに飾る何かイイモノがないか考え中とのこと。
とりあえずということで、プチ模様替えで行き場を無くした、なんか丸い壺を飾ってました。
「あの壺も悪くはないんだけど、背が低い(注:壺は直径20cm前後の球体)。もうちょっと縦長のものじゃないと、ちょっと空間が間抜けな気がする」
「そうだねぇ。なんかこう、ぐにょっとしたものが欲しい気はするね」
「そうなの! ぐにょっとっていうか、にょろーんとした感じのやつ!」
ニュアンスで話す親子。

PCを開いていたので、ついでにリビングに置けるようなオブジェ(?)検索。
動物の置物だったり、花瓶だったり……。
いや、そういえば母は生け花のお免状を持っていたはず。
「竹カゴとか置いて、季節の花とか実ものとかアレンジしてみたら?」
「うーん、TVのすぐ横だし、私がうっかりさんだから引っかけて倒したくないし……湿気のあるものは置きたくないかな」
「じゃあ、エアプランツとか、ちょっと凝った作りの竹細工をそのまま置いておくとか?」
「それってさ、『だから何だって言うんだ』って感じにならない?」
「……」

……それを言ってしまうと、大概のインテリアは『だから何だって言うんだ』だ。

「いや、ほら。例えば置き時計とか実用性のあるものは逆にいいのよ。で、壺とかも悪くないと思うのね。花瓶として使ってなくても、壺はなんか許される。だから、今置いてある丸い壺はセーフなの。でも、例えば竹カゴだけを置いておくとさ、『だから何だって言うんだ』って……」
「それは、そこにアート性があるか否かってこと?」
「かもしれない。例えばそこの棚の上にあるニセモノの鳥かご。あれはサイズが小さいけども、もしあれが大きかったらインテリアとしてTVの横に置いていい。でも、あっちの食器棚の上にある中途半端な飾り皿。あれは『だから何だって言うんだ』。みたいな」
「……なるほど。じゃあ、例えば今開いてるサイトの、この4000円くらいの竹カゴなら『だから何だって言うんだ』で、さっき別のサイトで見た35000円する職人の手作りカゴなら許される?」
「うん。値段で全てが決まるわけじゃないけど、雰囲気で……『だから何だって言うんだ』ってならないものがいい」

まぁ、言わんとすることはわかる。
この人なりに、アート性の有無を判断しているんだ。
アート性が無いのが、『だから何だって言うんだ』。
そして、件のスペースは、実用的な場所じゃなく、リビングの中のプチアート空間として扱いたいのだろう。

『だから何だって言うんだ』。
なんとなく、伝わらなくもない。