「それでも今日は好い日だ」

猫と裁縫と日常の雑記。

実録!ゆとり警察16時!(長文)

24時じゃなくて夕方4時なあたりがゆとりポイント。

ぇー。今月初め、自転車を盗まれました。
近所のスーパーに買い物に行って(17時10分頃)、30分ほどで済むと思ったので、簡単な錠だけかけて(ワイヤーロックはカゴにいれたまま)駐輪場に置いておいたところ、買い物を終えて出てきたらチャリの姿はありませんでした(18時頃)。
特徴を説明するのが恥ずかしいくらい、何の特徴もない自転車です。銀色のシティサイクル26インチ。盗んだ側からしてみれば特徴がないので足がつきにくいというチョイスだったのかもしれません。

警察に届けようかどうしようか迷いどころ。というのも、まぁどうせ届けても出てこないだろうし、待つよりも新しい自転車買っちゃったほうが早いし、買っちゃった後にぼろぼろの自転車が出てきてもそれはそれで困る。2台もいらないし、粗大ゴミ代を払うのはこっちだし。そもそも、防犯登録はしてるけどその番号を書いた紙なくしちゃったし。
とはいえ、「犯罪に使われたら困るじゃん」という友人の言もあり、それもそうかと改めて被害届けを。

で、件のスーパーの近くにある交番に出向いたんですが、2人いた警察官のうち、1人は50代初めとおぼしきおじさま。気さくでよさげな人。そしてもう1人が20代半ばとおぼしき若者。
「被害届けですね」と書類を取り出したのはその若者。なんだか手慣れているようでいて、同時に頭の悪そうな……というか……なんか、アンバランスな印象を受ける人です。
なぜか、私から遠い位置に座り、なにやら書類を書き始めます。手元が見えないほど遠くに座らなくてもいいんじゃないか。本来は「私が」出す被害届だろうに。

「自転車の種類は? ママチャリですか?」
「いやー。ママチャリではない…かな? こう、ストレートハンドルの、いわゆるシティサイクルというやつですが」
「じゃあ、マウンテンバイクですか」
「や、だからシティサイクルです」
「ママチャリですね?」
「……」
危うく「おまえバカだろう」と言いそうになった私を止めるかのように、おじさま警察官が助け船。
「そこは『軽快車』ってのに丸しとけばいいよ」

「防犯登録はしてますか?」
「あ、していたんですけど、登録番号を控えてなくて」
「じゃあ、車体番号はわかりますか」
「(登録番号控えてないやつが、車体番号なら控えてると思うのか)や、わかんないです。登録した時の紙なくしちゃって」
「うーん、じゃあちょっと難しいかなぁ。番号がわかれば番号を探すんだけどね」
「? といっても、アヤシイ(?)自転車止めて、その番号かどうか確認するんですよね?」
「そうですね。で、番号がわからないと、アヤシイ自転車止めて、そこに貼ってある番号と乗ってる本人が一致するかどうかセンターに照会するんです」
……まずアヤシイ自転車をどう見つけるんだ。走ってる最中の自転車の番号を読み取れるわけがないんだから照会の手間だけだろう。というか、番号わかってたって、どうせ照会はするんだろう。

あ。でも、データベース社会だし、登録してあって番号で管理されてるってことは、私の番号を検索とか出来るんじゃね?
「えーと、それ、番号を検索することって出来ないんですか?」
「は? 検索ですか?」
「ええ、だから私の番号がわからなくて探しにくいというのなら、私の名前と住所と電話番号でセンターに検索かけたら、登録番号ってわからないんですかね」
データベースというのは双方向で検索できてこそ役に立つという物。
「そんな便利な使い方はできませんよ」
「え。出来ないんですか? 何のためのデータベースですか」
「番号を検索したからといって、その自転車にGPSでもついてるわけじゃあるまいし、その自転車がどこにあるかなんてわかりませんよ」
…………?
……あ。わかった。この人、「検索」と「捜索」を意味一緒に思ってる。
「ぇーと。そういう意味じゃなくてですね。番号わからないと探しにくいというのなら、こちらのデータをキーワードにすれば番号自体がわかるんじゃないですか?という疑問なんですけども」
「だから、それじゃ自転車の位置はわからないでしょ?」
「……」
危うく、「おまえ、ホンモノのバカだろう」と言いかけた私を遮るように、おじさま警察官再びの登場。
「あくまで、番号から持ち主がわかるだけで、持ち主から番号がわかる検索はできないんですよ。まぁ、不便ですけどね。はは」

図式が見えた。まずこの若い警察官は、他人の言葉と感情への理解力に欠けている。おじさま警察官はいつもそれをフォローしつつ、「彼は今、具体的に何をすべきか」をその時々にあわせて指導している。ただし、若い警察官にはどうやら応用力もなく、修正力もない。自分が最初に思い込んだものを自分の中で変更することができないシステムになっているらしい。

「次は……積載物は?」
「特にないです。ワイヤーロックは入ってましたが、その鍵は私が持ってるので、あまり意味ないし」
「ワイヤーロック1、と……(書き込み)、うーん、被害額っていくらですかね」
「被害額。えーと、自転車自体は12,000円くらいで2年以上前に買ったものなので……」
「時価にすると?」
「時価……。さて。リサイクルショップの相場から考えて、まぁ、目立つキズもないし5,000円くらいですか」
「5,000円、と(書き込み)。……高価なワイヤーロックですね」
「……自転車の話ですが?」

「あとは……現場検証しないとなぁ。場所はどこですか。この近くですね? じゃあ、そこに行って詳しい場所を教えてもらって、それをこの書類に書き込んで……で、その後にあなたの住所・氏名などを書いていただかないと」
「じゃあ、私が一緒に、ここからスーパーの駐輪場へ行って、現場検証して、またここに戻ってこなきゃいけないんですか?(交番からスーパーは徒歩3分程度だが、家に帰るのには逆方向)」
「ええ。そうです。戻ってから住所氏名を書いてもらわなくてはなりませんから」
「……」
危うく、「おまえ、正真正銘の(ry
「いや、今ここで住所氏名書いてもらって捺印してもらって、それから現場検証いけば、この人に戻ってきてもらわなくてもすむだろう? そうしろよ」
「あ。そうか。それでもいいですね」
ていうか、それしか選択肢ねぇだろうが。

被害届けに書くのは、住所、氏名、職業、電話番号、生年月日。
「職業は、社名まではいりません。会社員なら会社員で」
「や、会社員ではないので(住所氏名を記載中)」
「主婦の方ですか?」
「違います。ライターです。(答えながら「フリーライター」と記載)」
「フリー……ああ、アルバイトですね」
ちげーよ。フリーターじゃねぇよ。「ライ」抜かして読んでんじゃねえよ。
いい加減、「相手は警察なんだから」っていう遠慮を放り出すぞコラ。
その気配が伝わったのか、おじさまがフォロー。
「違うよ。ライターさんだから……取材して記事書いたりする人だよ。所属っていうか立場がフリーなだけで」

「じゃ、印鑑持ってますか? 持ってなければ拇印でいいです。こことここ、あとここにも押してください」
名前の横と……どうして、書類の真ん中あたり、2カ所に捺印しなければいけないの?
よくよく見ると、文字の書き間違い箇所。
訂正印か。おまえ、他人に訂正印押させるのに「すみません」の一言もないのか。
ここに至って気付きます。
この人、一度も「すみません」を言ってない。警察官は無闇矢鱈と謝ってはいけないとでも指導されてるのだろうか。
そして、「すみません」もなければ、笑顔もないし、もちろん笑い声もたてない。会話は終始、真顔。そして勘違い。自分が間違っても謝らない。……ぇー? 交番の人なんだから、地域住民にもう少し気さくに接してもいいんじゃねーの? そこのおじさまのようにさー。
「じゃ、この後、現場検証に行って、その後は帰っていいですが、もし何か訂正があった場合はご協力お願いします」
「……訂正?」
「ええ。訂正」
「訂正……ってなんですか?」
「ですから、書類の記載に食い違いが出てきた時や、事実関係が何か変わった時です」
それ、訂正ちゃう。「間違い」や。しかもおまえの。

そしてスーパー駐輪場へ移動して現場検証。どのあたりに自転車を置いてあったのかを尋ねる若い警察官(おじさま警察官はついてきてくれなかった。危険な二人きり)。
「えーと、じゃあ……これ持ってそこに立ってください」
巻き尺の端を持たされる私。建物からの距離、交差点からの距離。測って書き込む警察官。
測り終えたら、無言で巻き尺の端を回収する警察官。
……「ありがとうございます」は?
ていうか、端持たせる時に「すみませんが…」は?
もっと気軽に、笑顔とともに「どうもー」でもいいけど? 
なんで終始真顔? 警察官に真顔で巻き尺持たされてる私の立場ってナニ? え、自転車は私が盗まれたんであって、私が盗んだんじゃないよね?
「じゃ、これで被害届け出しますので。何かわかったり、何か訂正があった場合にはご連絡しますので、ご協力願います。では」

だから「訂正」って。
訂正する時には、まず「間違い」がそこにあるんだろう。間違いを正すのが訂正だろう。


そして昨日。土曜の昼頃に電話がありました。
私は例によって、明け方までネトゲを楽しんでいたので、絶賛睡眠中。
「○○警察署ですが。○○さんですか?」
「そうです」
「先日の被害届けに訂正がありましたので、これから伺ってよろしいですか?」
「……は? 訂正?」
何度聞いても慣れない。この、「訂正を求める」時に「訂正がありましたので」という使い方。
あったのは訂正ではない、間違いだ。
「はい。訂正がありました。そこに捺印をお願いします」

そして彼が私のマンションを訪れ、差し出した書類。
「ここに捺印をお願いします」

「馬蹄型錠」→「馬蹄型(の)錠」

「の」の部分が、行の上に「V」で挿入されています。そこに捺印をしろ、と言っているようです。
それが「訂正」だと。
確かにそれを直して、私が捺印した状態でなら「訂正を終えた書類」になるだろうけれど、私に捺印を求める時に「訂正がありますので」とは言わないし、そういう言い方には問題がある。


ゆとり世代」と、世代まるごとひとくくりにはしたくない。したくないが、ある一定の年代の若者に、とんちんかんな人が多いのは確かだ。
基礎的学力の不足、想像力の不足、他人の感情への配慮不足、他人の発言に対する理解力の不足、それによって不都合が生じるなら周りの人間が自分にわかるように教えなければならないという態度、そしてそれが当然だという受け入れ方、感謝の言葉・謝罪の言葉を口にしない、「愛想笑い」をしない自分が格好いいと思ってる……。
自転車を盗まれたことよりも、ああいう人間が警察官としてまかり通っていることにショックです。


あ。ちなみに昨日、新しい自転車買いました。
今度は防犯登録証、ちゃんととっておこう。