「それでも今日は好い日だ」

猫と裁縫と日常の雑記。

遼クンに続け。

ついったーではその出来事があった当日に呟きましたが、先日、外国人観光客に道を聞かれました。
雪まつり開催期間中の札幌は観光客がたくさんです。中国での祝日が近かったこともあり、中国からの方々もたくさんでした。もちろん国内からも。
そんな札幌大通付近で買い物を終え、天気が良かったのでぷらぷらと歩いて家に帰ろうとしていたところ、アングロサクソン系と思われる観光客6人ほどが戸惑いながら先を歩いていました。温暖な気候の国からきたのか、やけに重装備なオジサマ&オバサマたち。
その戸惑いっぷりと、ちょうど中心部からわずかに外れた位置で周囲に人が少なかったことから、ひょっとして何か話しかけられるかもというDOKIDOKI感はありました。


同じ方向へ信号を渡る緊張の一瞬。
「Excuse Me?」
キター。
いや、ダイジョウブ。オチツケ。ネトゲで外国の人と英語でお話したことも何度かあるし! 4回か5回くらいだけど!
仮にも中学・高校・短大と8年間の英語教育を受けた身! 受験当時よりは単語力は衰えているけれど、基礎くらいならまだ覚えてるはず!
それに何より、オバサマが戸惑いがちに発したそのエクスキューズが、「……えくす……きゅー……ずみ……?」と、ずいぶん気弱げに聞こえたのです。
観光客には親切にしなくては。主に道内とはいえ、観光情報誌のライターをやっているんだから!


「Yes?」
振り返るとオバサマは嬉しそうに道を尋ねてきます。
「Where is one hundred yen shop?」
やった。ラッキー問題! それは100円ショップのことですね!
ヒアリングは一度で成功したし、問題の店への道筋もわかる! 勝った!


ぇーと。そのお店は……ノーノー、おばちゃん、逆方向だよ。今きた道をまっすぐ戻って、ひとつめの信号を渡って……。
……はっ!?
ネトゲでは道を聞く人などいなかった!(がぼーん)
しかもネトゲ英会話は文字チャット! 発音関係ないし、困った時には翻訳サイトとのダブルウィンドウでイケた!
(今ここにエキ△イト翻訳があれば……っ!)
出題は確かにラッキー問題なのに、どう答えていいのかがワカラナイ。


「あー……This street……ぇーと……back(指さし)」
「back?」
「yes。お店はあっち(指さす)。あーんど……cross……信号を渡る……」
「one block?」
「いえすいえす。わんぶろっく。あんど、信号を渡る。いい?(ジェスチャー)この道と、交わる道が、こう(ジェスチャー)で、この先の、ここ(空中を指さし)」
「Oh,△△※※? ○○◆◆?(この道じゃなくて、こっちの角度の道なの?)」
「No,No。in this street。でもその向こうの……」
「corner?」
「Yes、こーなー、コーナー」
「△△※※?(この道をまっすぐ1ブロック戻って、角にあるのね?)」
「いぇーす。とりあえず1ブロック戻れば店が見えるから、すぐわかりますよ!」(もう日本語)
「Oh,thank you」
「はーい」


笑顔で別れ際、観光客の方々は口々に、サンキューとか、アリガートとか言ってくれたんですが、私ときたら「はばないすでー」も返せなかった。
ツイッターでも呟いたように、どうせ帰宅するだけだったんだから、反対方向とはいえ、案内すれば早かったろうに。
8年間の英語教育から離れて、確かにン十年も経ってますが、これほど衰えてるとは思わなかった。
とっさに単語が思い浮かばない。文法は記憶の彼方としても、それらの単語を少なくとも知ってはいるんだから、もうちょっとなんとかなったと思うのに。
これは、石川遼クンに倣って、スピードラー△ングでも始めるべきですかね。


ちなみに、彼らが行きたがった100円ショップ(ダイ△ー)は、札幌でもそこそこ大きめの店で、ビルの5フロアを占めている店舗です。中心部にあるので観光客の姿もよく見かけます。
ただ時々、そのお店では中国語会話も聞こえてきて、「これらはキミタチの国から輸入してるんじゃないのか…?」と問い詰めたい気分にさせられます。
それに比べれば、欧米の方が行きたがる気持ちはわからなくもないけれど、なんだろう、物珍しさですかね。
件の観光客の方々が間違えて向かっていた先は二条市場なので、そちらのほうが観光スポットといえばスポットなんですが。……まぁでも、海鮮モノは日本も外国もあまり変わらないのかな。それに、ナマモノ買っても困るしね。


悔しかったので、帰ってから翻訳サイトで復習した英会話。
「The shop is in the corner in the following block」
(そのお店は次のブロックの角にあります)
「You are welcome」
(どういたしまして)
「Have a nice trip」
(良い旅を)
「You came too far」
(行き過ぎです)
「It's right in front of a tall building, clearly signed. You can't miss it」
(高層ビルの真向かいにあり、わかりやすい看板が出ています。すぐにわかりますよ)
「Sorry, I don't know. Why don't you ask the station attendant?」
(すみません。わからないので駅員に聞かれたらいかがでしょう)
「There is no problem. This is pleasure.」
(大丈夫です。これは趣味です)


途中から何かが違っている。
……I'm lost. Where am I now?