「それでも今日は好い日だ」

猫と裁縫と日常の雑記。

今月のセレクト。

このタイトル便利だ。


『SUMMER IN THE CITY 悲しき熱帯』(村上龍
1988年刊行の本。
……そうね、この頃の龍ってこうだったわ(←誰)。


『最後の家族』(村上龍
2001年刊行の本。正直、驚いた。「村上龍」のニオイがほとんどしない。たとえば最初の頃の作品(上に挙げた本とかコインロッカーとかフィジーの小人とか)は、ありていに言えばセックス、ドラッグ、バイオレンスみたいなものが前面に出ていて、最近は経済的な視点のおもしろさが際立っているけれど、これはどちらにも当てはまらないような気がする。
氏には珍しい群像小説。そして珍しく、毒々しさがない。「村上龍」初心者にはいいのかも……と思ったけれど、これを初めて読んで次にフィジーあたりを読んだら、その読者は失神してしまうかもしれない。


『精神病棟の二十年』
『精神病棟に生きて』(松本昭夫)
古本屋で見かけて、北海道生まれの作家が自身の精神病の記録を綴った本というので興味を持って購入。
んー……コメントに困る本かな。患者の側からの記録という点では貴重なものでしょう。
文学作品ではなく、ルポルタージュでもなく、一資料として。


『誰か』(宮部みゆき
実は宮部作品はあまり読んでません。何冊か……記憶に残ってるのは4〜5冊かなぁ。実家で読んだものと、たまたま好きだったゲームを宮部氏がノベライズしたのでそれを(『ICO』)。
読みやすい文章、確かな構成力、ちょっと想像させて、それをちょっと裏切る展開。大傑作ではないけれど、退屈はしない。
……そうだよね、張った伏線って片付けるべきだよね。それが普通なんだよね!(別の作家を思い浮かべながら)


『妖怪アパートの幽雅(ゆうが)な日常?』(香月日輪)
ONEPIECE』の新刊を買いに行った時の衝動買い(笑)。ラノベ寄りだけれど、悪くはない。続きを買うかどうかは思案中。


漫画のほうは、『のだめカンタービレ』が本当の最終巻になりましたね。23巻で終わったはずが、なぜ24巻が出ているの?と思いましたが(笑)、24・25巻と「アンコール オペラ編」が出てました。峰クンの意外な才能発見ですかね。


……そういえば、小野不由美の『十二国記』の新刊はいつ出るんだろう。
yomyomに連載されてるらしい短編集なら、周期的にそろそろかもしれないけれど、長編を……っ! 本編を待っているんだっ!