「それでも今日は好い日だ」

猫と裁縫と日常の雑記。

まんがの貸し借りもできる同僚っていいよね。

職業柄、同僚たちは読書好きです。
そして真の読書好きがそうであるように、漫画と娯楽小説、文芸作品などなどの差別をしません。その先に広がる世界は、どんな手法をとろうとも、面白いものは面白いのです。


先日、同僚から借りたのは「よつばと!」の最新刊。今年の春に、「松川さん、『よつばと!』読んだことある?」と聞かれて、無いと言ったら全巻貸してくれたのです。
よつばと!」は、「よつば」というフシギな5歳児が主人公のほのぼの系漫画です。
基本的に私は子供が苦手な人間ですが(言い切った)、「よつばと!」は和む。生半可な子供嫌いだったらうっかり「よつばならイイかも」って言っちゃいそうなくらい和む。でも私は生半可じゃないので言わない。
きっと私は、「やんだ」(登場人物の1人。よつばの敵)にしかなれない。


そして、「よつばと!」を貸してもらった人には、お礼として「テルマエロマエ」を1・2巻貸してあげました。その人は先日までインフルエンザで寝込んでいたので、感想はまだ聞いていません。
それにしても、男性ライターが持ってくる漫画が「よつばと!」で、女性ライター(私)が持っていくのが「テルマエロマエ」だということに疑念を感じましたが、深くは追求しないことにします。


多分、「よつばと!」を読んで、必要以上に和んでしまったのは、年末進行でささくれ立っているのと、その少し前まで読んでいたのが、「ディエンビエンフー」だったからでしょう。
ディエンビエンフー」は、絵柄はとてもほにゃほにゃとデフォルメされていますが、そして犬とか出てきて可愛らしいですが、書いてる内容はベトナム戦争のことです。おそろしく簡単に、そして可愛らしい絵柄で人が死んでいきます。
それまでベトナム戦争のことって、よく映画になってるよなーとか、いわゆる「ベトナム帰り」なアメリカ人のこととか、些末なことしか知らず……っていうか、そもそもベトナムでアメリカが何のために戦っていたのかを知りませんでした。私が生まれた年には、まだベトナム戦争のまっただ中で、年代的にはとても近い戦争だったのに。


ディエンビエンフー」とその年表を読んで、ついでにネットでちょっと調べて、今まで「ベトナム戦争」「ベトコン」「サイゴン陥落」「ホーチミンルート」と、それぞれ単語だけしか知らなかったことがようやく結びつきつつありますが、でもやっぱり正直なところ、「戦争」って理解し難いよね。
それでも、たとえば宗教的熱狂とか、領土争い・権力闘争といった理由ならもっと理解はしやすかったんだと思います。でもどうやらベトナム戦争はそうじゃないらしいから。イデオロギー(という言葉も不明確なものだけれど)の対立ということなのかしら。
とりあえず、日本もまるきり無関係なわけではないようだし、事実関係だけでも、歴史として知っておいていいのかもしれない。


ただ、あまり関係ないところで、ふっと思ったことがあるんですけど。
ベトナム戦争も終盤になってくると、アメリカで反戦デモが多かったようです。とても大規模なものが。そしてそれは日本でも行われていました。反戦・平和を訴えるデモ。
……そうだよね。デモって、要は民衆が声を上げることなんだから、それは平和を訴えるものじゃなきゃいけないし、そうでなければ、民衆に労苦を強いる体制への批判であるべきものだよね。ほら、フランス革命の時に市民たちがアントワネットに文句つけたみたいな。最近あったような、「あの国をあのままにしとくのか」的なデモは、デモって言っていいんだろうか。
ベトナム戦争の時のように、そして最近、某大国の内外で起こっていることのように、共産主義と資本主義は所詮相容れないものなんでしょうかね。


まぁ、そんなこんなで荒みベクトルだったのが、よつばに和んだのデス(笑)。
でも、「まずは概要を把握して、興味を持って調べる努力をする」というのに、漫画は最適だと個人的には思います。
ベトナム戦争は「ディエンビエンフー」、フランス革命は「ベルサイユのばら」、源氏物語は「あさきゆめみし」、陰陽道は「陰陽師夢枕獏原作・岡野玲子画)」で(陰陽道は別に学ばなくてもいい)。あとアレだよね。医学系は「ブラックジャック」だよね(笑)。


……だからあまり規制を厳しくしないで欲しいね。