「それでも今日は好い日だ」

猫と裁縫と日常の雑記。

8分32秒。

さきほど、NTTから電話がありました。
フレッツの回線状況について聞きたいというので、穏健派の私は「はい、どうぞー」と答えました。


「フレッツについて何かお困りのことはございませんか?」
……とくに無い。ていうか、随分ぼんやりした聞き方だなぁ。
「例えば、パソコンの立ち上がりが遅いとか、インターネットが突然終了してしまう、または動きがかたまってしまうといったトラブルはございませんか?」
いや、そりゃ無くはないけど。っていうか、そういうトラブルが全く無いパソコンなんて無いだろう。オマエあほか。
と思ったけれど、まぁそこは大人の対応。
「全く無いというわけではありません。例えば、スタートアップに登録しているフレッツ接続ツールの立ち上がりが遅いために、稀に、他のソフトのほうが先に起動してしまって、そのソフトがネット接続を前提としているので、エラー表示となることはありますが。エクスプローラーが固まることもたまにあります」
一応、フレッツに絡めてみた。フレッツツールの軽いのが出てますよ的返答を期待。
「なるほど。では、ウィルス対策などは普段されてますか?」
全スルーかよ。
「はい。定期的に全スキャンしてますし、普段もウィルス対策ソフトを常駐させてます」
「無料のソフトなどで対応してるということですねー」
「……いえ。ちゃんと有料のデス」
「あ、失礼いたしました」
ほんとうに失礼だ。何故、無料と決めつけ?
「ウィルスバスターなどで対応しているということですね」
そのソフトじゃないケド。
「きちんと、更新されてお使いになられてる、と……」
あたりまえだろう。データベース更新しないウィルスソフトに何の価値がある。


だんだん苛ついてきた。
そもそもコノヒト、当たりはソフトだけど、鼻が詰まっていて非常に聞き取りにくい。


「そこでですね。そういったパソコンや周辺機器などのトラブルが起こった際に、それぞれメーカーが違うじゃないですか。どこに電話をかければいいのかわからないなんてことありますよね。そういった時に、NTTが全てまとめてお応えできるサービスがあるんですよ。パソコン本体、プリンター、またはプロバイダさんなんかとの接続に関するトラブルとか、そういった全てを一括でご質問をお受けできるサービスがありまして」
「……いや、とくに困った覚えはないので結構です」
「このサービスには、お試しいただける無料期間がございまして、2ヶ月間無料になるんですが、3ヶ月目に継続されるかどうかをご判断いただきまして、継続されない旨のご報告がない限りは月額525円の……」
は?
待ちなさい。
「すみません、それはこっちから継続しないという申し出をしない限りは利用料に勝手に525円加算されちゃうってことですか?」
「いえ、2ヶ月は無料ですよ!」
「いや、そんなこと聞いてません。だから3ヶ月目には有料になるんでしょう?」
「ええ、月額525円となっております。今のお客様の契約状態ですと、2ヶ月の無料期間がありまして、もちろん、サービスを継続されないということであればそれを申し出て頂いて」
「そうじゃなく。そもそも、有料だろうと無料だろうとそのサービス自体がイラナイんですけど」
「こちら、パソコンに関するトラブルのほとんど全てに対応しておりまして、ワードやエクセルの……」
「そんなこと聞いてません。聞きたいのは、今から勝手にこのサービスが始まって、2ヶ月後に『やめます』って言わないと有料で継続されちゃうってことですか?」
「えーと、ですからですね、まず松川様のご利用状態ですと、2ヶ月の無料期間がございまして、この間は自由にサービスをお使いいただけます。3ヶ月目に、こちらから『無料期間きれますよ』というご案内はいたしかねますので、それはお客様にカウントしていただいてですね。もちろん、お金を払ってまでサービスは欲しくないという方もいらっしゃいますが」
……コノヒト、頭悪いんだろうか。
鼻が詰まってるから、頭の回転が鈍ってるのかな。
2ヶ月無料としか言ってない。


子供に言い聞かせるようにして話すことにした。会社で営業相手によくやる感じで。
「えーとですね。無料期間があるのはわかりました。3ヶ月目から、525円になるのもわかりました。ただ、そのサービス自体は、今すぐに勝手に始まるんですか? または、『今のお客様の状況ですと』と仰ってましたが、既に始まっているんですか? それとも今ここで私が『それを申し込みます』と言わなければ始まらないんですか?」
「2ヶ月は無料なんですよ。よろしければそれをぜひご利用いただいt」
「それはわかってます。現状で勝手にサービスが始まっていて、このまま私が放置したら3ヶ月後に勝手に525円加算されるんですか? 最初に言いましたように、そのサービスは必要ありません。大概のことには自分で対応できます。なのに申し込んでもいないうちに勝手に無料期間とやらが始まっていて、サービス解約の申し込みをしない限り利用料に加算されるんですか?」
「あ。いえ、それは違います。お申し込みいただければこの先2ヶ月間が……」
「わかりました。そのサービスは必要ありません。自分で対応します」
「こちらですと、ソフトのトラブルなどにも……」
「それも結構です。何度も言いましたように、自分で対応できます。あらためてお伺いしますが、現状でこのサービスは私に対して開始されていないんですよね? このまま放置しても、2ヶ月後に加算されることはありませんね?」
「はい、それはもう。勝手に付加することなどできませんから……」
「あなたの説明は、非常にわかりにくいです(言い切った)」
彼の鼻が詰まってて聞き取りにくいというのもあったけれど。
2ヶ月無料って何度言っただろう。


ていうか、「困ってるでしょ? トラブル対応しますぜ?」っていうのが売りなんだろうけれど、「自分で対応できますので不要です」と言ってる人に対して、「でも!」って言い続けるのは失礼なんじゃないだろうか。
じゃあなにか。オマエは、「てめぇにンなこと出来るわけねぇだろ。おとなしくプロに任せておきな」って言ってるのか。
私が聞いていても不愉快に感じたのに、これ、パソコン関係のプロの人が聞いたらかちーんとくるんじゃないかしら。
なんでも聞いていいです、とか言ってたけど、じゃあ「最近ネトゲのログイン鯖が特定の時間帯にクソ重いです。何故ですか」とか聞いていいのか。
話を聞いた上で、「必要ありません」とはっきり言っている人に対して、同じ説明を繰り返すことに何の意味があるのか。
失礼とか無礼というのは、口調だけの話じゃない。話している内容も重要なんだ。
そんな電話で8分半も費やしてしまった。