「それでも今日は好い日だ」

猫と裁縫と日常の雑記。

強きをくじき、弱きもくじく。

先日、道職員の冬の賞与がニュースで公開されていました。
このくらいの地位の人で幾ら貰っていて、道知事のはるみちゃんはコレだけ貰ってるよ、というニュースでした。
知事さんは、政治活動のこともあるし、別にいいんデスけど。
へー。30代の道職員でこんだけ貰ってんだー、と思いつつ、さりげなく計算。最近の流れから考えて、これはおそらく基本給の3ヶ月分前後。査定によって2.5〜3.5というところかな。
そして脳裏をよぎるのは、まだ記憶に新しいニュース。
なんか、不況の煽りで北海道も財政危機。道職員給与の減額措置が云々と。
それに対して、これ以上下げられたら職員の士気が下がるなどの不満が上がってるとか。


ついでに思い出すのは、以前友人(道職員)が言っていた言葉。
「お給料に世相が反映されるから、世の中が景気良くなっても、お給料が上がったり、休日が増えたりするのは、公務員が一番最後」
でも、その時点で、学校でさえ完全週休二日になっていたのに、私が勤めていた会社や別の友人が勤めていた会社は、完全週休二日ではなかったわけで。
賞与の時期になるといつも発表されていた、道職員の賞与も、こちらにしてみれば「……そんな金額もらったことナイ」というのばかりだったわけで。
もちろん、なけなしの有給休暇だって、「消化しないと怒られる」公務員に比べて、何年も消化しきれないままだったわけで(しかもそれは2年以上繰り越し出来なかった)。
そりゃ、公務員というのは、景気のいい大企業に比べれば、待遇改善されるのは一番最後かもしれないけどさー。
世の中には、中小企業・零細企業のほうが多くて、その大方は、公務員より待遇は悪い。


属してる組織の業績が悪化したら、個人の収入が減額するのは当たり前だと思うんだけどなー。
っていうか、ボーナス出るだけいいよね。
ボーナスまるまるカットされて、ボーナス払い込みでローン組んでた人が真っ青になるなんてのは、民間じゃよくあることなのに。



そういえば、最近のニュースでは、派遣社員の首切りや、内定取り消しのばたばたも多いようですね。
派遣契約の期間内に突然解雇されたことで、生活に不安が……とか、内定決まって、それに向けて準備していたのに突然取り消しが……とか。
それでいよいよピンチになった人々が生活保護を申請したり、ハローワークにそういう人々に向けた特別窓口ができたりしているとか。


うーん。私が派遣で働いていた頃は、○ヶ月、という契約書に判が押されていても、「でも、いつ首きられても文句言えないヨネ」と思いながら働いていたけど。みんなはそうじゃなかったのかしら。


手軽に使える労働力として、企業が派遣社員を雇いだし、時を同じくして派遣労働法の改正。より手軽に、より雇いやすくなった労働力。
数ヶ月という単位の契約更新を繰り返すことで、長期に働いてもらえる可能性を秘めていて、社会人経験も適度に積んでいる即戦力(もし即戦力にならなかったら、『お取り替え』すればいい)。
けれど、社員として雇わないってことは、会社に対する忠誠や恩義などという、些か旧い、けれど実は意外と必要な精神性を養わないし、技術の継承もできず、人材を育てることにはならない。安い物には安いだけの理由がある。
……と、会社はわかってて雇ってるんだと思ってた。


登録するだけで手軽に勤め先を探してくれる派遣会社。数ヶ月単位でいろんな会社を渡り歩いてもいいし、長期契約(または繰り返し契約)をして1つの派遣先で仕事を続けてもいい。
中途半端なパソコンスキルさえあれば、そこそこ名のある企業に勤めることも出来る。
社員と同じ給料は貰えないけれど、社員と同じ義務と責任は求められない(求められることもあるけれど、それはあくまで表面的なもの。求めるのは間違っている、と正当な反論をすることが出来る)。辞めたければ契約更新のタイミングでいつでも辞めることが出来る。逆にいつ、「次の更新はありません」と言われるかわからないし、最悪の場合、「違約金払うので、明日から来なくていいです」といつ言われてもおかしくない。
……と、派遣社員もわかってて雇われてるんだと思ってた。


お互いに、意外とそうじゃなかったのね。……なんて、最近のニュースを聞くと思う。
ただまぁ、月末に突然、「解雇するから社員寮も出てってね」なんて言われて、それから3日後に追い出された人たちは気の毒だと思う。
それに、「うちに是非就職してクダサイ。給料はこんだけ払いますよ」なんて言ったくせに、「ごめん、うち倒産したから無理」って言われた内定学生も気の毒だと思う。
でもそれは、契約途中の解雇に対する違約金を払わなかった企業や、自社に新入社員を雇う余力がない(または倒産するかもしれない)のに新入社員をいれようとした見通しの甘い企業が責を負うべきことだよね。
とはいえ、訴訟を起こすなりなんなりするにも、その間、彼らは生活をしなくちゃならないし。だから結局、ある程度、国や自治体に頼るしかないのも事実。
国や自治体は、その企業たちに賠償金求めていいと思う。


経済ってムズカシイ。
でも、本当は、経済の第一歩って、お小遣い帳だよね。
もらった分以上は使えない、っていうのは、みんな誰も同じなんじゃないのかな。
空想上のオカネで皮算用同士の取引をすることの危うさは、バブルの時に学んだんじゃなかったのか。