「それでも今日は好い日だ」

猫と裁縫と日常の雑記。

そんな月もある。

さて、オシゴトですが。
今月はとても本数が少ないデス。
ということは?


ソウデス。
収入が減るんデス。


今月は全体的に少なく、多い月の40%ほどしかありません。
先月やっていた台湾版の原稿料が、今月と同じ〆なので、収入自体は一見あまり変わらずに見えるけれど、台湾版を「ちょっとしたボーナス」と考えていたのに目論見は外れました。ちぇ。


自分で自分のペースを掴み、校了日までに全てが破綻なく終わるように、自分で仕事の配分をするのが今の仕事です。
そこに「お願いしマース」とねじ込まれるものを、受けるか受けないかも自分次第。普通の会社員と違うのは、断る選択肢がそこにあるということ。
それが自分への評価や、直接の収入にも反映されるから、もちろん受けたほうがプラスにはなるけれど、それで仕事が破綻するならナッシンになってしまうから、自分のペースを見極めつつ、受けるか受けないかの選択を迫られます。
が、今月はそんなのもナカッタ。
例年、この時期は夏の反動で、全体量自体が多くはないらしいけれど、それにしても少ないねぇ、とみんなでDOKIDOKIしています。


そしてヒマだと余計なことも考える。
幸か不幸かはわからないけれど、私は私自身で選んで、会社員→派遣社員→フリーのオシゴトと経験してきました。
会社員だった頃は、オソロシイほどの残業をしていたので、「コレ、時給計算だったらスゴイことになってるよな」なんて思い、当時、その会社で臨時に雇っていた派遣さんの時給(会社が支払ってる時給)を聞いて、「おぉ、それはスゴイ」と思っていたものです。
が、実際、自分が派遣社員になってみると、雇う会社が支払ってる時給の3割ほどは派遣会社の収入になってしまうので、派遣社員に入るのは7割ほど。しかも、保険や年金など馬鹿にならない金額が自己負担。それに、ほとんどの派遣社員に交通費は出ません。
休憩時間をさっぴいて、時給計算してみると、ちょこっと残業する程度の派遣社員じゃなかなかに厳しいものが。
祝日や連休がある月は収入減るしね!


ただ、派遣のいいところは、時間がきっちりしているところです。
時間というか、むしろオカネかな。
派遣がやる業務にはきっちり対価が支払われます。派遣法に則ってるはずなので、よっぽどダメな派遣会社じゃない限りは、業務外のことはやらされません。
社会的常識の範囲内(自分のカップを洗うとか)なら別だけれど、例えば、女子社員は始業の30分前に来て掃除すべしとか、男性社員の茶碗やカップ、給湯室の布巾や雑巾を洗うべしなんてものは除外されます。まぁ、お客さんにお茶やコーヒーを出すのは意見が分かれるところですね。それも業務のひとつで、就業時間内に業務としてやるなら、私はやっていいと思いますケド。
何につけ、1時間(または30分or20分or15分)ごとにその労働に対する賃金が支払われるのデス。


正社員はそうじゃないですよね。
けど、それは正社員が損をしているわけじゃないと思うんですよ。
逆に正社員が、「アタシ、○○の仕事で雇われたはずだから、お茶くみなんてやりません!」とか「なんで業務外のコピーとりなんかしなきゃいけないの!?」とか言いだしたら、じゃあオマエは派遣社員と同じじゃないかということになる。それらを主張するなら、「じゃ、金のかかる正社員より派遣のほうがいいや」って雇用を切り替える経営者を責めることは出来ない。
1時間いくら、1日いくらという短いスパンとは違う働き方をしてるんだから、業務外と思われることも含めて、自分という社員がお買い得だったと経営者に思わせることが重要なんじゃないかしら。
だって、あのクソ高い健康保険や厚生年金、ついでに雇用保険まで払ってくれて、祝日があろうがなかろうが給料は変わらず、おまけにボーナスまでくれるんだから、雑用のひとつやふたつ、「ハイ、喜んでー!」って言ってやれよ。


……と、まぁ。盆に実家で会った従妹が言っていた愚痴を思い出して、つらつらと考えたわけです。
この仕事がやりたかった!まさにこれは俺の天職!待遇なんて構うものか!という、ごく少数の幸福な例外を除いて、大抵の正社員は、自分という人間がいかにお買い得だったかを経営者に見せつけるために働きます。多分に自己満足も含まれてますケド。
だから、正社員は、待遇や評価に文句をつけるより先に、その収入に本当に見合うだけの働きをしてるかどうかから考えなくちゃいけないし、派遣社員は、単調業務ツマンナイとかいうより先に、自分の1分1秒に値段がついていることを本当に意識できているかから考えなくちゃいけない。
そして、それらから全く分離したところに、フリーのオシゴトがあるのデス。
正社員や派遣社員であれば、「する仕事ない」なんて言っちゃいけません。仕事を見つけるのも仕事のうちだから。
でも、フリーのオシゴトは「仕事ナイ」があり得るんです。5分で書いたものも、2時間かけて書いたものも、ページに占める分量が同じであれば、発生する原稿料は同じ。だから、経過は問われません。問われるのは成果だけです。


与えられた業務をいかに有能にこなすかが正社員。
与えられた時間をいかに有効に使うかが派遣社員
そして、与えられてもいない仕事をいかにぶんどるかがフリーのオシゴト。


……ただ、パイの大きさは決まっているのが難しいところ。
今日はまとまってません。(注:いつもです)