「それでも今日は好い日だ」

猫と裁縫と日常の雑記。

検査結果はよくわかんにゃーい(長文)。


ふとソレに気が付いたのは、12月半ばのことでした。視界の中に暗点があるんです。
右、左と交互に目を瞑ってみたり、明るいところに行ってみたり暗いところに行ってみたり、モニタを見つめてみたり、部屋の奥を見てみたり。
いろいろやってみた結果、左目の中心よりほんのわずか左側にずれたところに、米粒大の暗点がありました。
それは暗い光のようなもので、白いところを見ればダークグレーの点に見えるし、黒いところを見ればライトグレーの点に見えます。
もっと小さなものが浮遊して見えるというのなら、いわゆる飛蚊症の症状だよなぁと思うのですが、これが浮遊はしてないわけで。ただ視界の同じ場所にずっとあります。


確かにここ最近、モニタや文庫本なんかで小さい文字を追うと、一瞬、焦点を失うような、おっとっとと思って慌てて焦点を戻さなきゃいけないような、そんな感じがしてました。
「ここ最近」がいつからなのかは特定できませんが、まぁとにかく「ここ最近」。
そういえば、11月に行った免許更新の際の視力検査で、左目だけ一瞬「ん」と思ったような記憶もあります。
でも、視界に常にあるものって気付きにくいんですよね。
ある日突然大きく視野が欠けるとかそういったことがあれば、すぐに気付くんでしょうけど、気付いたらそこにある小さな点というのは、いつからあったのか、じわじわ大きくなっていったものなのか、判然としません。


というわけで、12月半ば、異常を発見して数日後に病院へ。
散瞳して覗かれて、センセイに首を傾げられます。
「うーん……。とくに異常はないように見えるけど……まず視野検査してみましょうか」
年末にかかるため、視野検査は翌月(翌年)に持ち越し。


そして1月に視野検査。ハンフリー視野検査と呼ばれるもので、片目ずつ、視線を中心に固定して(自力)、数秒おきにランダムな強弱で現れる小さな光点を、視野の中で認識できるかどうかというテスト。
ドーム(のように見える)内の一点をじーっと見つめて、どこか光ったと思ったら、手元のスイッチをかちっと押す、ちょっとゲーム感覚な検査ですが、なかなかに集中力を要する、疲れる検査でした。
で、その結果はといえば。
「うーん……とくに異常はないように見えるけど……」
……あれー?
わたしが見える暗点というのが、小さすぎるようなのです。緑内障のごく初期に似た症状が現れることもあるようですが、緑内障であれば散瞳して眼底を覗いた時に視神経の病変が見つかるはずだと。
そして、わたしが見える暗点の場所が、人間の一般的な視野における盲点とごく近い場所にあることから、視野検査の結果だけでは特定できない、と。


じゃあしばらく様子を見てまた1ヶ月後に……、とかお医者様はぬかしやがりました。
君は状態異常を認識している、だけど僕には病変を見つけられない、だから時間をおけば、もう少し認識できる病変が出てくるかもしれないネ。
みたいなニュアンスで言われたので、
「悪くなれば病気が特定出来るから、悪くなるのを待とうってことですかね?」
なんて聞き返してあげました。
「そういうことじゃないけれど……」
ともにょもにょ言ってました。
とはいえ、まだここで出来る検査はあるし、どうせならカルテのあるここで検査を終わらせてからその結果を持って、転院を考えればいいや、ということで、お医者さんを見限るのを思いとどまった私。最近オトナになった。
もし緑内障のごく初期であっても、慢性緑内障の進行というのはごくゆっくりのようで、手術や投薬による対処というのも少なからず身体に負担のあるものらしいので、確定しないうちから急いでやっても益はなさそうなのです。


そして1ヶ月後。病院の予約の数日前から、意識して視界の暗点を見ていたせいか、もともとあった米粒大のものの右斜め下にそれよりもっと小さな点を見つけました。
が、ここでまた、視界の異常は気付きにくいというデメリットのせいで、それがいつからあったのかが判然としません。最初に病院に行った時に確かに無かったものなのかと聞かれると、わからないのです。
最初から暗点は大小2つあったのに、大きい方に気を取られてそれしか認識できていなかったのかもしれないのです。
病院へ行った際にそれを申し出ました。いつからかはわからないけれど、今は暗点が2つある、と。
ただそれが、増えたものなのか、実は当初からあったのかは不明です、と。
少なくとも大きくなってはいないし、今現在は2つであると断言できます、と。


そこで先日の、造影剤をいれての眼底撮影検査が行われました。
造影剤自体が、なにげに副作用もあるようなものなので、必要じゃない限りやりたくはなかったんだけれど、とお医者さんは言ってました。
その結果が、本日出たのです。


原因不明。


ぇー。うっそーん。
いや、まぁ半ばそうだろうなとは思っていたんですけどね。
センセイが言うには、「それで見つからないこともあり得ます。もしも眼底撮影で何もわからなければ、もっと違う種類の検査が必要になるでしょう。その場合、当院では対応出来ないので、もっと大きな病院へ行っていただくことになります」と。
それを事前に聞いてたので、多分そうなんだろうなーと。
撮影した写真は、「何も言われずにこの写真だけを見せられたら、とくに病変はなし、と言うだろうね」というものだったみたいです。
ただ、患者に症状があるという前提で見るなら、左目の網膜の一部、私の暗点に相当する箇所に、小さな影が見えなくもない、と。
少なくとも緑内障ではないし、視神経にはとくに異常は見られないとのことでした。


もともと、かなり昔から、視力が怖ろしく悪いのデス。
両目とも裸眼で0.1ありません。
極度の近視(または遠視)の場合、視神経が脆くなりやすいのだというウワサ。
それによって視神経が減衰して視野欠損を引き起こすこともあり、緑内障の原因のひとつだったり、先天性の視神経低形成といわれることもあるようです。
極度の近視っぷりには自信があったので、症状からみてもそれかなぁーなんて思ってたんですが、どうやら違ったようです。
今のところは、網膜の(奥にある細胞の)一部になんらかの異常があるかもしれない、というくらいで。
来週、「おっきい病院」に行ってきます。そこだと、なんだかハイテクな検査機器が揃っているらしいので。


実際、暗点が見えるというのは、微妙な表現なんですね。「黒い点が見える」という言い方が一番通じやすくはあるんですが、実はちょっと違うんです。
「見える」ではなく、「そこだけ見えていない」状態なのです。
だから、暗い点が見えるのに、暗いところで視野を意識すると、今度は薄明るい点に見えるんですよ。
眼球の移動には関係なく、視野の同じ場所に留まります。つまり、いつでも同じ場所が見えない。
位置と大きさを説明するには……えーとですね、2メートルほど離れた位置から壁掛けのカレンダーを見るとします。数字はやや大きめのシンプルなカレンダー。
それのたとえば18日を左目で見ようとすると17という数字が視野に入らない(中心からやや左にずれた位置にある米粒大の点)。けれど、上の段にある10や11、下段にある24や25は見えます。17を飛び越えて16も見えます。ただ、17だけが見えない。同じように、じゃあ17日を見ようとすると、17は見えるけれど、今度は16が隠れる。
ついでに右斜め下の26と見つめている18との間の余白部分に小さな汚れもある(中心から右下にある小さな第二の点)。


ただ、人間というのは、通常は両目でものを見ています。視界は互いに補い合っています。
だからこそ、生理学的に盲点になっているはずの部分も、両眼視している時には見えているんです。
片目の視野にだけ小さな異常があっても、うっかりするとかなりの間気付かない原因はここにあります。
実際に緑内障の方でも、もっと大きな視野欠損があったのに気付かなかったという事例もあるらしいです。
私がごく小さな点に気付いたのは、文庫本を読むことが多いのと、モニタを見つめることが多いからでしょう。モニタはそれ自体が光を発している明るいものなので、暗い部分が目立ちやすいんじゃないかと思うのです。
実際、「ん?」と思って左右交互に目を瞑ってみる気になったのは、モニタを見つめていた時です。なんか、画面のどこかに液晶の滲みがあるように思えたんですね。で、画面をじーっと見つめたんですが、モニタの品質には何の異常もなく、そういえば職場のモニタでも一瞬そう思ったような気がする、と思い出し。ということは自分の目に異常があるのかしらん、と思って。
んで、文庫本のほうは、どうやら両眼の視力がほぼ同程度の場合、ページの右側は主に右目で読み、左側は主に左目で読んでいるらしいのです。普通に本を読んでいても不都合は感じなかったんですが、ページの左側、とくに右側ページの左側(つまり綴じ部分の付近)や、左側ページの左側(つまり本そのものの左端)の文字が追いにくいことに気が付きました。
両眼が同程度に見えていれば焦点は維持できるんですが、左目の中心付近が見えていないために、右目が追いつくのに一瞬だけタイムラグがあるんですね。


まぁでも、それ以外の部分は、裸眼0.04でも矯正視力は1.2あるし、日常生活で両眼視していれば何の不都合もないのデス。
だから、暗点は邪魔くさいといえば邪魔くさいのですが、これ以上広がらないならとくに生活に不自由はありません。イタイとかもないしね。


ただ、センセイが書いてくれた紹介状入りの封筒が、何故かものすごく厳重に封をしてあるのですよ(笑)。
のり付けをして、合わせ目に「〆」の文字、その上から更にセロハンテープ。
でも、「いつでも、あなたの都合のよい日時に行ってください。検査結果とこれまでの経過はいれてありますから」と言って手渡されたものなので、まぁとくにヤバいことも書いてないはずなんですが。
まぁ、私が行っていた病院は中規模の総合病院ですが、ドクターや看護師の気働きが今ひとつよくない感が漂うので、紹介状を用意したセンセイに指示されて封筒にいれた看護師が、うっかり厳重にしちゃっただけなんでしょう。郵便を出す時みたいな感じで。実際、郵便なら普通の処理ではありますから。


……開けたいなぁ。コレ、開けていいのかなぁ。
眼底写真が入ってるはずなんだよね。……見てみたいなぁ。