「それでも今日は好い日だ」

猫と裁縫と日常の雑記。

罠。


私が住む部屋は、北側にある玄関から南側にあるリビングまで一直線の廊下が延びており、その廊下の左右に部屋やトイレ、風呂などがある構造になっています。
そして帰宅すると当然、部屋の内部は暗いです。ぬこは電気をつけてはくれないので。
マンションの廊下を歩く私の足音または、玄関の鍵を開ける音に気付くのか、大抵の場合、ぬこは私を玄関で出迎えます。
そして玄関で腹を見せて転がり、ひとしきりごろんごろんとまるで猫のような動作を見せた後、私を先導するようにしてリビングへ共に向かうのが常です。


今日もそうでした。
ぬこに先導されて暗いリビングに入り、部屋の明かりをつけてソファの上にバッグを放り出し、着替えるために寝室に行きます。寝室は玄関側にあるので、廊下を戻る形になります。
そして再びリビングへ戻ります。
そこで発見しました。
リビングの入り口にある薄黄色いような、茶色いような半乾きのドライフードを。
吐いたね、クロさん。
しかもなんか、ちょっと散らかってる。きっとぬこが踏んだに違いありません。


……ん?
マサカ。
再び寝室へと戻り、さっきまで自分が履いていた靴下を見ます。
そこには、薄黄色いような、茶色いような半乾きのドライフードが。
がーん。自分で踏んでた。


リビングの明かりをつけるためには、どうしても踏み入らなくてはいけないポイントにわざわざ吐くとは……罠かっ! 罠だな、これはっ!!
くそぅ。やられた。