「それでも今日は好い日だ」

猫と裁縫と日常の雑記。

不思議な夢。


今朝がた、妙な夢を見ました。
私が普段見る夢というのは、リアリティがあるかどうかはともかくとして、細部は詳細を極める夢が多いです。夢の中で読書をすることもあり、その文章の端々を覚えていることもしばしば。
今朝の夢は、料理をする夢でした。


とある料理本を読んでいた私は、レシピのひとつに何故か引き寄せられ、そのレシピを見ながら家にある材料に思いを馳せたのです。
脳内検索を終えてみると、どうやら全て揃っているようです。量にやや不安はあるものの、そのレシピを「お試し」で作ってみることには何の不都合もないでしょう。
そう判断して、レシピをあらためて読み直します。
料理の名前は「青豆とくるみのパン」。
それを作るために必要な小麦粉の量は524kg。
その他の材料は、蜂蜜、バター、玉子、牛乳。
レシピの詳細を見ると、全ての材料を練り合わせた後にくるみ(レーズンでも可)を混ぜ合わせ、成形して焼くとあります。
そして焼く直前の写真を見ると、いわゆるなまこ型に成形され、ところどころにナイフで切れ目をいれて、フランスパンのような見た目にしてオーブンにいれるようです。


…………え?
524kg?
ナニソレ。
ていうか、そもそも青豆って何? 青大豆のこと?
レシピの写真では、見た目は薄い緑色です。
うぐいす豆みたいなのを載せて焼いたパンというのは見たことがあるけれど、これはそもそも「青豆の粉」というのを小麦粉に混ぜているようだ……。なんだろう、コレ。
……ん? そういえば、「パン」なのにイーストとか使わないの? せめてベーキングパウダーとか重曹とか。ともかくそういう「膨らむモノ」を使わないの?


いろいろなツッコミどころを備えたレシピから、手持ちにある材料(一般的と思われる量)を524kgから逆算し、とにもかくにも揃えます(何故か青豆の粉というものも手元にあった)。
そうして練り始めると確かにレシピに掲載されている写真と同じようになっていきます。
けれど、やはり量が足りないのか、練っているとどんどん手元の生地が減っていくではありませんか。
ボウル一杯の小麦粉を使ったはずが、気が付けば握り拳よりも小さいくらいの塊になっています。
これではいけないと、材料をつぎたし、再び練り直します。
これはひょっとしたら本当に524kg使うのかもしれないと思いながら、オーブンに火を入れて……


そしてそこで目が覚めました。
焼き上がりを確認できないまま現実に戻されたのが心残りです。
現実には、肉まん程度なら作ったりはしますが、パンを生地から焼いたことはありません。ご飯党だということもありますが基本的にはめんどくさがりなので。
けれど、あのマボロシの青豆パンは美味しそうでした。
いや、薄緑色の、ぼってりしたバタールのようなパンの隙間にくるみやレーズンが埋まっているものは、お世辞にも美味しそうな見た目じゃなかったんですが、でもなんだか心惹かれるものがあったのです。


夢は自身の精神活動の一端で、そこに出てくるものは必ず本人が知っている(忘れているかもしれないけど)ものだというのが一説です。
つまり、未知のものは出てこないはずだ、と。
夢のお告げとか、故人からの伝言などというものも、結局は本人の記憶や知識の積み重ねから導き出されるものだというのがその説の帰結点ですが。


……でも青豆パンって。
確かに「未知のモノ」ではないけれど、なんでいきなり豆。